<パフォーマンスDVD>
■バンジョーは長い間、南アフリカでソロやバンドでの楽器として限られた地域で造られ、演奏されてきました。その後1920年から30年代に、工場生産されたアメリカのバンジョーが登場し、第二次世界大戦の終わりには、ローデシア・ニヤサランド連邦 (1953-1963:旧イギリス保護領)全体で、ダンスミュージックに欠かせない重要な楽器と成長しました。しかしながら、1960年代半ば、黒人の独立運動による新たな建国されたマラウイやザンビアでは、これら楽器やギターの弦さえも店頭から消えてしまいました。
そんな中、若者たちは自らの手で製作を試み始め、1970年代の終わり頃になると、手作りのバンジョーを手にした若者たちの姿が街角や田舎道などで見られるようになってきたのでした。彼らはバンジョーだけでなく、ギターや、さらに大きなベース・バンジョー/ギターも手作りし、通常は1本弦で棒やボトルを使ってスライド・プレイで演奏しました。
エレキ・ギターやキーボード、シンセサイザーなどで演奏される既成のダンス・ミュージックを追いかける地元のマスメディアからは無視されていましたが、これこそが活力に満ちた文化なのです。1990年から最近まで、色んなところに旅する青年たちによるこの手の音楽は、非常にバライティーに富み、小さいグループでの活動でしたが、マラウイ、ザンビアの地域で頻繁に耳にするようになりました。市場やミニバス停留所、人が集まる色んなところ、また彼らの住む村やその他の地域のホームパーティなどで観客が待っていました。レパートリーは、チムレンガ(解放闘争)の歌からレゲエまで、メディアから流れてくる最新の音楽スタイルに組み合わせて、自分達の音楽や詩を創作しましたが、多くは彼らが真似る元の曲よりもかなり複雑になっていました。
多くの人は、この青年たちの真剣で実験的な情熱に気づくことがありませんでした。それでも彼らはサウンド作りや演奏法の中に絶えず新しいことを生み出し新境地を発見したのです。
■このDVDは、マラウイの著名な文化人類学者Moya A. Malamusiが手掛けた、バラエティに富んだフィールド・レコーディング映像のコレクションです。pdfデータでディスクに収納されているブックレットには、ミュージシャンのバイオグラフィや歴史的情報、またマラウイ文化におけるバンジョーついてのディスカッションも掲載されています。78分。